Books @ Floating Log

2010-03-09 (*)

# ジャーナリズム崩壊

上杉隆「ジャーナリズム崩壊」幻冬舎新書(2008)。 タイトルと内容が合っていないと思う。 日米の新聞あるいはジャーナリズムと呼ばれるものを比較した(そして日本のそれを批判した)もの。 むしろ、日本式『ジャーナリズム』未だ崩壊せず、という嘆き。 アメリカ流の風通しの良い報道姿勢を著者が信奉しているとして、それを本当に日本人がマスコミに望んでいるかは別問題じゃないかという気もする。 そのうち飽きられて自壊するでしょうテレビも新聞も。

posted at 05:05:20    #
 

# 入門 Git

濱野純「入門 Git」秀和システム(2009)。 git の開発者が書く入門書。 実装というかユーザー要求べったりの部分と dvcs の一般論的な部分の混在した感じの文章に触れて、普段は mercurial しか使わないという選択をした自分の感性と git の方が流行っていく現実とを比べて物思いに耽ってしまう。 まとまった何かを書けるほどのことはないのだが、一歩引きたいんだなたぶん常に。 Linux 開発のこの場面でこう使える機能だ、とか言われると気持ち悪い。 ソフトウェア開発において、と一般化して語ってもらえると安心する。 具体論は人によって状況が違うし…。 話が大きくなってきてしまいそうなので、この辺りで切り上げてこの本の感想に代える。

posted at 04:44:00    #
 

# 上町断層帯

鵄尾彰「上町断層帯」文芸社(2008)。 最近断層づいているのでこれもまじめな調査研究かと思わせて、実は小説仕立て。 東海・東南海・南海地震と連動して上町断層帯も動いて大阪が海に沈むという話。 文章としてできがいいわけでもないので、変わったものという以上の評価はない。

posted at 00:17:20    #
 
2010-03-05 (*)

# 並行コンピューティング技法

Clay Breshears「並行コンピューティング技法」オライリー・ジャパン(2009)。 並行(concurrent)と並列(parallel)の違いとか最初の方で説明があるけど、「並行」って音が「平行」と同じで、「平行」は「並列」と同じ"parallel"の訳語で、まあつまりややこしくて閉口する。 で、中身は具体的にいろいろなアルゴリズムを並行化してみせているのでイメージは掴み易い。 勉強にはなる。

posted at 23:26:08    #
 
2010-03-04 (*)

# ベントラーベントラー

野村亮馬「ベントラーベントラー 1, 2」アフタヌーンKC(2009)。 そろそろ連載終わりという話を聞いて手を出す。 外星人とそのオモチャを相手にする人たちが主人公。 1巻はおちゃらけた感じで軽く読める1話完結の話だけど、2巻になると裏のありそうなキャラが出てきて続き物になってややこしくなってくる。 軽いノリの方が良かったけどなあ。

posted at 03:08:00    #
 
2010-03-03 (*)

# 猫の博物館

J.クラットン=ブロック「猫の博物館」東洋書林(1998)。 大英博物館の出しているネコの本の翻訳らしい。 それほど目新しいことは書いていない。 自分が知らなかったこととしては「ブロッチタビーは比較的最近(エリザベス一世の時代)にイギリスで発生した」とか、ネコの目の色に「黄褐色から、薄い黄色、グースベリーグリーン、鮮やかなグリーン、明るいブルー、鮮やかな群青色などがある」といったこととか。 図版がいっぱいあるが、昔のネコの絵は概ねかわいくない。

posted at 18:31:44    #
 
2010-02-28 (*)

# 秀吉を襲った大地震

寒川旭「秀吉を襲った大地震」平凡社新書(2010)。 天正地震(1586)と伏見地震(1596)という地震を題材に、著者の提唱する地震考古学の有効性を示そうというような本。 地震考古学は、遺構の成立年代と地震の断層や噴砂痕を見て、地震の年代を推定しようというような話。 1596年という数字は活断層大地震に備えるでも書いたが、まさに今住んでいる辺りの断層が引き起こした地震であるというのが興味を引かれるところ。 というか最近近所の地形の凹凸のどこまでが断層由来なのか気になってしかたないので少しでも手がかりを求めるために読んでいる感じ。

ところで有馬-高槻断層帯の図13で野畑断層と如意谷断層がどちらも N で示されているので、周辺の地名を知らない人には不親切(南の方が野畑)。 ついでにいうと、断層の名前は統一されていないのかねえ。

posted at 23:26:08    #
 
2010-02-27 (*)

# 新訂 孫子

金谷治(訳注)「新訂 孫子」岩波文庫(2000)。 最近 twitter で 老子だとか韓非子だとかを見ていて、何となく読みたくなったので手に取った。

1972年に発掘された漢初の竹簡でだいぶ研究の様子が変わったようなことが解説に記されている。 それまでは魏の武帝(曹操)が注をつけたとされるテクストから派生したものばかりだったのに、一気に年代が古い資料が見つかった。 それが20世紀後半の話だというのが意外な話だった。

内容についてはここで改めて紹介するようなものでもないと思うので特に書かない。

posted at 01:19:12    #
 
2010-02-23 (*)

# Google 誕生

デビッド・ヴァイス/マーク・マルシード「Google 誕生」イースト・プレス(2006)。 まあ今さらな本。

posted at 00:42:56    #
 
2010-02-20 (*)

# 数学を生み出す魔法のるつぼ

Jonathan Borwein / Keith Devlin「数学を生み出す魔法のるつぼ」オライリー・ジャパン(2009)。 副題が「実験数学への招待」というのだが、主に積分や級数が収束する値を良く判っている定数(πとかζ値とかlogの特殊値とか)の和に直す話。 その特定の分野にはそれほど興味がないので、いささか読むのに退屈した。 悪い本だというわけではないのだが、期待し過ぎたのがいけなかった。

posted at 21:58:40    #
 
2010-02-18 (*)

# Clean Code

Robert C. Martin「Clean Code」アスキー・メディアワークス(2009)。 いまいち。 倣って頑張ろうという気が湧いて来ない。 昨日のコメントの分離とかもこれを読みながらだったんだけど。

「意味のある名前」という章の前に「統一された言語」というような章を置いて、なぜソースコードは全面的に英語で書かれるべきか力説してもらいたい。 意味を語るのはそれからだ、自民族中心主義者め。

posted at 22:54:08    #
 
2010-02-15 (*)

# 差分法入門

井上正雄「差分法入門」廣川書店(1968)。 図書館で手に取った本だが、他の「差分◯◯」より解りやすかった。 オイラー・マクローリンの公式とか、そんな簡単な式変形で出るのかと(形式的に導出したものだからとあとで厳密に証明もするけど)。

posted at 23:32:32    #
 
2010-02-12 (*)

# 活断層大地震に備える

鈴木康弘「活断層大地震に備える」ちくま新書(2001)。 先日、阪神・淡路大震災のドキュメンタリーをNHKで放送していたのをちらっと見たので、関連しそうな本を手に取った。

活断層の長い活動周期を考えると断層のすぐそばに住んでいてもその断層が起こす地震に遭遇する確率は低いので、断層が存在するという情報をどう活かすのかなかなか難しい問題ではある。

ところで、大阪には上町断層という有名な断層が南北に走っている、というのは知っていたが、この本を読んでいたらふと思い当たったのが箕面である。 箕面の駅までの南側の平坦な土地から突然山が現れるというあの地形。 地図を見ると一直線にその境界線が延びている。 これも断層の作り出した地形? ということで検索したらすぐに出てきた。 六甲起震断層の高槻セグメント(もっとも表を見ると右横ずれタイプとあるので、高低差ができる正断層や逆断層ではない)。 名前から判る通りあの淡路島から神戸へ続いていた断層の延長線上にある。 そして何かもっととんでもないことに、大阪大学豊中キャンパスのある丘も同じ断層群の伊丹セグメントに乗っているらしい。 これらの断層では1596年に地震があったそうだ。

posted at 18:44:32    #
 
2010-02-06 (*)

# 言語と構文解析

徳田雄洋「言語と構文解析」共立出版(1995)。 構文解析的なものが必要になったのでその参考書。 非常に羅列的な書きぶりなのが好都合な感じがしたのでドラゴンブックではなくこちらを手に取り、5章「構文解析の方法」を中心に読んだが、もっと素直に lex/yacc の解説を探した方が良かったかもしれない。

posted at 03:31:28    #
 
2010-02-05 (*)

# プログラミングの心理学

ジェラルド・M・ワインバーグ「プログラミングの心理学」毎日コミュニケーションズ(2005)。 25周年記念版(1998年刊)の翻訳という、言ってみれば歴史的書物。 パンチカードとかPL/Iとかについて割り引いて読めば、アジャイルなんかの方向性の源泉も窺われる。 もっと前に読んでいても良かった。

付け加えると、「心理学」というタイトルが単なる比喩でなくて本当に学問的な心理学を指向していたのは意外だった。

posted at 00:55:44    #
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